このたび、銀座日本料理組合の組合長を仰せつかることになりました、銀座6丁目、割烹中嶋の中島貞彦でございます。

 まずは前組合長の塩見さん、6年間お疲れ様でございました。なにごとにも誠意を持って活動されるお姿に感銘しておりました。いろいろとご指導いただきましてありがとうございました。

 その塩見さんの後を受けて、伝統ある銀座日本料理組合の組合長という大任を引き継ぐことになり、身が引き締まる思いでございます。

 私がこの組合に入らせて頂いたのは、父が病気をして組合活動に参加できなくなった後の25歳の時だったと思います。それから西も東も分からない私を諸先輩の方々が手とり足とり導いて下さり、きょうまでお育て頂き23年が経ちました。

 『割烹中嶋』初代の祖父・中島貞治郎がこの組合の創立に関わらせて頂き、三代目の私がこの度、組合長に就任させていただくことになりましたことは、とても感慨深いものがございます。

 なにぶん若輩者でございまして、荷が重いのですが、幸い、経験豊かな諸先輩や力のある若手の皆様がいらっしゃいますので、皆様のお力をお借りして、一生懸命努めさせて頂きたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
 
 さて現在、私たち料理業界を取り巻く環境は、景気の悪化の影響によりまして、相当悪いものになって参りました。戦後最悪の不況などと言われるようなこのようなときに、組合としてどのようなことをして行けば良いのか、暗中模索の状態ではございますが、何か少しでも皆様のお役に立つことができれば、と思っております。
 
 そのための指針としていくつかの案を具体的に申し上げますと

 まずは組合員相互の親睦を引き続き深めてまいりたいと思います。
 組合員同士が勉強会、研究会などを通して情報交換の機会を増やし、お互いがコミュニケーションを取る場をさらに設けて、組合として今の時代を生き抜いていくために力を合わせていきたいと思います。

 そして次に、日本料理を生業にしている私たちの務めとして日本の大切な文化である日本料理を次世代に残し伝えるために、組合として出来ることを考えてまいりたいと思います。

 日本料理は、近年世界でも注目を集める存在になって参りました。しかし国内でもその日本料理が広く一般の方々に理解されているかと言うと、そうではない部分が多々あるように見受けられます。食育という言葉を最近よく耳にしますが、組合でも若者向けのレクチャー教室や一般の方達向けに各お店を使った組合主催の料理教室等ができないだろうか、と意見を交換していきたいと思います。

 次に、この銀座という街に組合として貢献したいと考えています。

 この組合の名前が『銀座日本料理組合』というように、銀座で商売をしている者の集まりです。この『日本で一番有名な街』、そして『清潔で安全な街』、と言われている銀座。わたしの店も今年で創業78年を迎えさせて頂きますが、この街で商売をさせて頂いているというありがたさ、感謝の気持ちと、その意義を今一度問い質し、考えて、今まで幾人の先人先輩方が努力し、苦労して築き上げて来た『高級で気品のある大人の街』銀座という価値観を、さらに良いものとして残していけるように、磨き輝かせて行かなければならないと思っております。

 そのために組合として銀座の各種のイベントなどに他の町会や団体などとともに、協力し、銀座に貢献していける手段を検討していきたいと思います。
 
 思いはいろいろと広がりますが、皆様に広く意見をお聞きしながら、今後の組合活動を行ってまいりたいと思います。

 今後とも御指導、御鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。


平成21年4月吉日
 第14代組合長  中島 貞彦

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